別冊 Mail Magazine adica 1999年3月9日(火)
RADICA EXPRESS SELECTION
米国向けデジタルハンディカム?
 「Digital8」、地味に登場


 米国で、DV方式のビデオカメラが全く売れていないようだ。98年の米国の販売実績で、DVは全体の5%ほどを占めるにとどまり、売れる機種のほとんどは8ミリ方式だ。 米国でのDV方式は「失敗した」といって良いのではないかと思う。
 理由は、価格が高いことだという。8ミリ方式のカメラなら600ドル程度で買えるが、DV方式では2倍程度の価格となる。
 また、DVのカメラ、テープが小さすぎるのも原因ではないかと推測する。 カセットテープの半分ほどしかないテープと、小型化のために密集してしまった操作パネルを扱うには、米国人の手はごつすぎる。

 ソニーは、8ミリビデオのテープにデジタル記録する「Digital8ハンディカム」を3月から販売開始した。 デジタル記録の方式はDVとほとんど変わらず、画質などの性能も同等だ。
 注目は、価格が安い点だ。 すでに14年ほど作り続けて十分に枯れきった、8ミリハンディカムの部品を多く流用しているので、低コストで製造できるためだ。 今は発売されてから間もないために、14〜15万円ほどするが、そのうち、10万円を切ることになるだろう。 DVハンディカムが、型落ちの古い機種でさえ13万円ほどすることを考えると激安だ。
 しかも、従来の8ミリハンディカムで録画したテープを再生することも可能で、古いものを大事にする米国人の心をくすぐる。
 もちろん、VAIOなどのパソコンと接続するための「iLINK(IEEE1394)」端子も装備されている。 デジタル記録されたテープだけでなく、従来方式のテープでも、再生画像をデジタル出力することが可能になっている。
 欠点は、DVハンディカムに比べて、一回りも二回りも大きいサイズだが、これは米国人には全く問題ないだろう。 何しろ、米国で今一番の売れ筋商品と、全く同じサイズなのだから。米国人には却って、小さすぎず、扱いやすいサイズといえるのではないかと思う。

 日本では、すでに売れ筋は8ミリハンディカムから DVハンディカムに移行していて、今さら8ミリビデオでもない、というところだ。 販売店でも、たいていはすみの方に展示されているのみだ。 なんとも地味な登場だが、価格次第では日本でもブレークする可能性を秘めているように思う。ここしばらく、注目すべき製品だ。

○ デジタルエイト方式採用の“デジタルハンディカム”新登場
http://www..sony.co.jp/soj/CorporateInfo/SonyFun/
topic/hi8.html


○ ソニー、8ミリ方式のビデオ・テープを使うディジタルVTR「デジタルエイト」を発表
http://ne.nikkeibp.co.jp/NEWS/990107sony.html

○ “Digital8 (デジタルエイト)”方式の開発にあたって
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199901/
99-001a/index.html


○ デジタルエイト方式を採用した“デジタルハンディカム”2機種 発売
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/
199901/99-001b/index.html


□□ [紅屋鉄之助 tetsu@ninjin.net]


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