| 別冊 Mail Magazine Radica | 1999年2月25日(木) |
| RADICA EXPRESS SELECTION | |
|
USBとIEEE1394に見る、 パソコン業界と情報家電業界の主導権争い |
|
|
米Intel社は、次世代のインターフェース規格「IEEE1394」を、パソコンの主要部品「チップセット」に組み込まないという方針を打ち出した。 24日、日経BPのWebサイトで報じられたものだ。 Intelはハードウェアメーカーに対して、「1394を組み込んだチップセットを1999年はじめに出荷する予定」と言っていたが、その計画も1998年の夏に中止していた。 そして1394に代わって、未だ規格が決まっていない「USB2.0」を取り入れる。 IEEE1394は、ソニーのVAIOやハンディカムに装備されている「i.LINK」端子のことだ。パソコンを含めた、いわゆる「情報家電」同士の接続方法として、 主に家電メーカー側から熱い視線が投げられている規格で、画像などの大きなデータを高速で転送することが出来るインターフェースになっている。 一方のUSBは、Intel、Microsoft、Compaqといった、パソコン関係の会社が作り上げた規格だ。 最近発売されているパソコンには、標準装備されている。 マウスやキーボード、プリンターといった、パソコンに必須の周辺機器を、一つのコネクターに接続できるように考えられた、データ速度がそれほど高速でないインターフェースだ。 今まで、次世代のインターフェース規格は1394が本命だと考えられてきた。そして、USBは1394が普及するまでの「つなぎ」としての役割を担わされていると思われてきた。 ところが最近、Intelほか数社のメーカーによって改良した「USB2.0」という規格を決め、1394と同様の性能に高めるという話が出てきた。 なぜ、Intelは1394にそっぽを向き、USBの改良に目を向けるようになったのか? それは、IEEE1394がパソコン抜きでも存在できるインターフェースだからだ。 たとえば、1394はデジタルビデオ同士を接続してダビングしたり、デジタルビデオの映像をデジタルテレビに映すための接続線として使える。 さらに、それぞれの機器が高機能になってくれば、画像の編集など高度な操作がパソコン無しでも可能になる。 ユーザーには面白い世界だ。しかしこれは、パソコンの必要性が下がってくるということでもある。 パソコン部品製造の専業メーカーという色合いが強いIntelにとっては、面白い話ではない。 そこで、パソコンが中心に据えられている規格、USBを高度に発展させ、1394の代わりに普及させることでパソコンの地位を守ろうというのがIntelの狙いだろう。 USB2.0対応の製品が現れるのは来年後半になると見られているが、1394はすでに実用段階にある。 こんな大幅な出遅れのなか、Intelが1394を捨て、USB2.0という規格を作り始めたのは、1394が描く未来に強い危機感を感じているからとしか思えない。 ○ 米Intel、IEEE1394の製品計画を白紙に、次世代周辺機器の接続に向けUSB2.0の標準化を推進 http://ne.nikkeibp.co.jp/IEEE1394/1999/990224fw.html ○ 「打倒IEEE 1394」、Compaq、HP、Intel、MicrosoftがUSB2.0を開発中 http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/x86/ ○ USB Specification Expanding, Boosting Performance 10 To 20 Times Beyond Current Capacity http://www.intel.com/pressroom/archive/backgrnd/cn22399c.HTM ○日米欧6社は、IEEE1394技術を積極的に推進するために必須特許を共同ライセンスすることで基本合意 http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/ 199902/99-0217A/index.html □□ [紅屋鉄之助 tetsu@ninjin.net] |
|
|
|
|
|
より情報量の多いRADICA本誌を、ただいま無料配送中です。 お申し込みは、「RADICA配送希望」と明記の上、reception@ninjin.netまで。 |
|
|
編集発行人:山崎一幸 発行:にんじんじむしょ radica@ninjin.net http://www.ninjin.net/radica/ 〒362-0076 埼玉県上尾市弁財1-8-21 Copyright(C), 1997,1998,1999 NINJIN Jimusho. RADICA are trademark of NINJIN Jimusho. |
|
| ○配送停止、配送先メールアドレスの変更、RADICAに掲載された記事を転載する時は、 http://www.ninjin.net/radica/ に掲載の内容をお読みください。 ○複数の読者が同時に閲覧可能なメールアドレス(メーリングリストなど)での登録は ご遠慮下さい。 ○このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ○RADICAに掲載された情報をご利用になって発生するすべての損害に関して、にんじんじむしょはいかなる責任も持ちません。 ○RADICAに掲載された商標または登録商標は、各社の商標または登録商標です。 ○広告のお問い合わせは、 radica@ninjin.net 宛までお気軽にどうぞ。 ○ご意見、ご感想、ご要望、ご投稿、その他なんなりと、radica@ninjin.net 宛お送りください。 いただいたメールは、特にお断りがなければRADICA誌上に掲載することがあります。 ○ | |