別冊 Mail Magazine adica 1998年12月19日(土)
RADICA EXPRESS SELECTION
米国産業界の合併の嵐がインターネット業界にも及ぶ

 18日付朝日新聞に「今年は合併の当たり年」と言われるほど、世界各地で大企業の合併・買収(M&A)が激増している。 米国経済の減速の兆しが顕著になってきたため、生産性の高いメーカーや、人件費の安い国の企業との合併を進めている会社が多いのである。 また、現金の代わりに互いの株式を株主と交換する「キャッシュレス方式」は株価が高いほど大型買収がしやすいので、 経済の減速が株式市場に影響を与える前にM&Aをしてしまおうという傾向もあるそうだ。
 アメリカのインターネット業界も例外では無く、先月下旬にはパソコン通信世界最大手America Online Inc.(AOL)が パソコン・ソフト大手のNetscape Communicationsの買収合併を発表し、M&Aに拍車をかけたカタチとなった。
 そして、18日付ZDNet,ロイター発のニュースによれば、インターネット・プロバイダーの(At)Home Networkがインターネット広告・プロバイダーである Narrative Communications Corp.を合併すると発表し、また、地方電話会社のAlltel Corp.はインターネット・サービス会社である Aliant Communications Inc.を買収すると発表した。 Alltelは1950年代からすでに250以上の合併をおこなっている会社である。
 アメリカ産業界ではこの様に景気の動向に従って着実に手を打つ会社が多く、それが、産業界全体の力でもあるのだが、それは、従業員にとっては厳しい局面でもある。 今年、4月から7月にかけて解雇された従業員のうち、14%あまりが合併によるリストラによるものなのだ。 しかし、結果的に景気が上向けば再就職での雇用も容易になるわけで、雇用の見通しが必ずしも暗いわけではない。 ただ、このようなリストラが景気低迷中の日本とそれ程景気の悪くないアメリカの失業率があまり変わらない。という状況を産んでいるのである。
 ビジネスではアメリカの追随者である日本でも、このような合併と、それに伴うリストラはやがて広がるだろう。 それは、これからのサラリーマンは、リストラは不景気によるものだけと考えず、会社という組織に属する場合の当然のリスクの一つと考える必要があるということを意味するのだ。

○ Alltel agrees to buy Aliant for $1.5billion
http://www.zdii.com/
industry_list.asp?mode=news&doc_id=RTL18a2086ruff


○ (AT)Home to acquire Narrative for $89 million
http://www.zdii.com/
industry_list.asp?mode=news&doc_id=RTL18a2584reuff


□□ [田中比呂子 hiroko@ninjin.net]


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