別冊 Mail Magazine adica 1998年12月15日(火)
RADICA EXPRESS SELECTION
選挙中Web公開で選管から注意?
最年少31歳、新逗子市長

 13日に行われた神奈川県逗子市の市長選で、新人で無所属の元鎌倉市議、長島一由氏が当選した。 現職を含む4候補を破っての初当選だ。31歳で、現職市長としては全国最年少となった。
 ここまではおめでたい話なのだが、彼が自分のWebサイトをもっていたところで話がややこしくなる。 選挙運動期間中の、とても忙しいと思われる時にもこまめに更新し続けたWebなのだが、それについて、地元の選挙管理委員会から、 なんと公職選挙法違反で注意を受けるらしいという噂があるのだ。
 96年に行われた衆議院選挙で自治省は、候補者のWebについて、「インターネットによる表示画面は、公選法上の文書図画にあたる」という見解を出した。 「Webを普段は公開してもかまわないが、選挙運動中は引っ込めましょう」ということだ。
 公選法は、選挙のために配布するビラやポスターなど「文書図画」の数を細かく制限している。 その法律にインターネットのWebを当てはめてみたのが96年に自治省が出した見解だ。 公職選挙法は50年に成立した古い法律で、当然、インターネットについて配慮されているわけではない。自治省の見解も、いわば無理矢理といった感じだ。
 無理矢理とはいえ、「公平に選挙を執り行うための法律」という精神からすれば、決められたルールは守らなければならない。 選挙期間中だけはWeb公開を中止するのが妥当なのだが、長島氏は期間中も更新し続けていたわけで、そこで選管からの注意が、となるわけだ。
 長島氏、若いとはいっても、選挙は三回目。 このあたりの事情を熟知していて、敢えてWebを公開していた節もある。「長島新聞」のコーナーでは、選挙期間中のトピックが現在削除されている。
 ちなみに、インターネットを選挙運動に活用するための公選法改正案が、6月、国会に提出され、継続審議となっている。 印刷物に比べて、ずっと低コストに製作・配布でき、より多様な表現が可能なWebだ。法案が成立したあとの選挙運動では、有効なツールとなることだろう。

○ 長島一由のホームページ
http://www.tk.airnet.ne.jp/penpen/

○ 長島新聞(336〜338のトピックが削除されている)
http://www.tk.airnet.ne.jp/penpen/test01.html

○ 新党さきがけ:公職選挙法とインターネットに関する質問について
http://www.coara.or.jp/~sakigake/etc/situmon

○ 朝日新聞:閉じる? 閉じない? 候補者のホームページ
http://www.asahi.com/senkyo98/news/kikaku/td980628.html

○ 民主党:インターネット選挙を解禁する公職選挙法改正案の提出について
http://www.dpj.or.jp/topics/199806/forpress.html

○ 自治省
http://www.mha.go.jp/

□□ [紅屋鉄之助 tetsu@ninjin.net]


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