別冊 Mail Magazine Ｒａｄｉｃａ

別冊 Mail Magazine Ｒａｄｉｃａ	1998年9月21日（月）
RADICA EXPRESS ＳＥＬＥＣＴＩＯＮ
うらやましい、米国電話事情
月刊『地球号の危機』（大竹財団発行）に掲載される「かつて電話かけるのにお金をとられた」という記事が、一部のメーリングリストに投稿されて、ちょっとした話題になっている。記事の著者は、サンフランシスコ在住のメディアジャーナリストで、『インターネット市民革命』（お茶の水書房刊）など著作を持つ岡部一明氏。　この記事は、米国のどんどん下がる電話料金を見ていると、将来は世界中の電話が無料になるかもしれないという内容だ。記事中で、９８年９月現在のアメリカの電話事情を、日本の現状と比較しつつ解説したくだりは非常に興味を引く。　記事によると、いま、アメリカでテレホンカード（Prepaid Card）が非常な勢いで普及しているのだそうだ。カードには、カード番号と暗唱番号が書いてあり、プッシュホンで番号を入力すると、規定時間の間、通話が出来る。これがすごく安いらしい。一番安いので、日本まで１分１５セント（約２０円）まである。もちろん、このカードで日本など、どこへでも国際電話がかけられる。　先日、ＫＤＤがアメリカの長距離・国際電話事業に参入したが、米国から日本まで国際電話１分３３セント（約４０円）でサービスしてるという。日本から掛ける場合の料金と比べると、なんと１／５だ。　もう一つ、紹介されているのは普通電話の加入事情。カリフォルニア州では、いまだ普通電話加入者が増えているそうだ。一つの家庭で、インターネットのため、ファックスのため、子どもの長話ためなどなど、２本目、３本目の電話を引いているから、という理由だ。電話の加入料金は３４ドル７５セント（約４５０００円）。基本料金月々１１ドル２５セント（約１４００円）を支払えば市内電話かけ放題。こういう料金でも、新規加入増大、増収で電話会社は儲かっているとのこと。　電話回線加入数は減少を、危機とも思ってないＮＴＴはどうしちゃってるんだろうと言う感じだ。 ISDNが、「通常電話回線を２本引くより安い」という理由で増えているというが、「これはＩＮＳが安いのでなく、通常電話が高すぎるのでしょう」と、記事の中で岡部氏は語る。米国でもＩＳＤＮは安いが、通常電話はもっと安いので、人びとはこぞって通常電話回線をもう１本入れているのだそうだ。　最近、カリフォルニアの電話会社パシフィック・ベル社は、この９月から、州内２００地域でＡＤＳＬのサービスを開始した。 T1専用回線に匹敵する、1.5Mbpsサービスで月３３９ドル（約４４０００円。１５０ドルのインターネット接続料込み）しかかからなくなった。　郵政省は７月３１日、電気通信サービスにおける内外価格差の調査結果を発表。日本のインターネット利用料金は、ほぼ世界の平均的な水準にあるとした。しかし、こんな話を聞いてしまうと、郵政省の調査は何だったの？という印象だ。ＮＴＴの通話料金は世界的標準的なものだったから、分割をしなかったのでは？　やっぱり、日本のインターネット料金は高い。そういう結論だ。 ○ 郵政省：《 7/31付:平成９年度電気通信サービスに係る内外価格差調査》 http://www..mpt.go.jp/pressrelease/japanese/new/980731j601.html ○ 月刊『地球号の危機』年間講読料2000円　発行：大竹財団　〒104　東京都中央区京橋1-1-5セントラルビル9Ｆ　電話：03-3272-3900 　郵便振替：00190-3-60834 □ □□　Hosaka the G33kSt@r hosaka@sco.bekkoame.or.jp

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