別冊 Mail Magazine adica 1998年9月7日(月)
RADICA EXPRESS SELECTION
研究室内のハラスメント

 1989年、セクハラことセクシュアル・ハラスメントが流行語大賞を獲得した。 語感だけで週刊誌を騒がせた時代も過ぎ去り、セクハラで会社を辞めましたといえば失業保険がもらいやすいこともある今日この頃。 いままた新しく『アカハラ』が注目されている。
 アカハラとは、アカデミック・ハラスメントのこと。 つまり大学などでのセクハラ。この言葉は「キャンパス性差別事情 ―ストップ・ザ・アカハラ― 」(上野千鶴子編、三省堂刊)にて、上野東大教授が提言したもの。 教授は本の中で、アカハラを研究職に固有の性差別、と定義している。
 奈良県立医科大の基礎医学系教室の女性助手「Oさん」が、約5年間にわたってアカハラを受けたとして、自分の研究室の「Y教授」と「奈良県」を相手に、 550万円の損害賠償を求めた訴えを起こした。日本で初めてのアカハラ訴訟らしい。 いま「奈良県立医科大学アカハラ訴訟」というホームページが、支援者の手によって立ち上げられている。
 この裁判以外にも、アカハラは日本中の大学にあるようだ。 噂では、手首を切る女子学生が毎年出る研究室が、関西の大学に存在するという話だ。
 アカハラは普通のセクハラと違い、教員−学生間の強い権力関係が基盤としてある。 その上、大学という場所柄、ことをなかなか認めなかったり、事件を隠蔽したがったりするため、被害はセクハラ以上のものらしい。
 現在では、「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」という組織も出来て、アカハラ被害の救済や文部省などにアカハラの実体調査などを求めている。

○ 三省堂:キャンパス性差別事情 ―ストップ・ザ・アカハラ―
http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/1jinbun/campus_sei.html

○ 奈良県立医科大学アカハラ訴訟
http://www.kcn.or.jp/~jjj/akahara/

○ キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク
http://www.eds.ecip.nagoya-u.ac.jp/others/nsnw/nacsa/index.html

○ キャンパス・セクシュアル・ハラスメントを考えるネットワーク・東北
http://www.sal.tohoku.ac.jp/anthropology/numa/campsexh.html

□□ Hosaka the G33kSt@r hosaka@sco.bekkoame.or.jp


より情報量の多いRADICA本誌を、ただいま無料配送中です。
お申し込みは、「RADICA配送希望」と明記の上、reception@ninjin.netまで。
    編集発行人:山崎一幸 発行:にんじんじむしょ
    radica@ninjin.net http://www.ninjin.net/radica/
    〒362-0076 埼玉県上尾市弁財1-8-21
    Copyright(C), 1997,1998 NINJIN Jimusho.
    RADICA are trademark of NINJIN Jimusho.
○RADICAに掲載された情報をご利用になって発生するすべての損害に関して、にんじんじむしょはいかなる責任も持ちません。 ○RADICAに掲載された商標または登録商標は、各社の商標または登録商標です。 ○複数の読者が同時に閲覧可能なメールアドレス(メーリングリストなど)での登録はご遠慮下さい。 ○RADICAに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。 ○RADICAに掲載された記事を二次使用される場合は、必ず編集(030-814-5693,metalman@ninjin.net)までご連絡ください。 ○このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ○ご意見、ご感想、ご要望、その他なんなりと、radica@ninjin.net 宛お送りください。 ○広告のお問い合わせは、 radica@ninjin.net 宛までお気軽にどうぞ。 ○